■ 第十九回 ’05 春のインド ダージリンの旅 T カルカッタ編

第一回 馬可波羅倶楽部のこだわりの旅 が終了しました。
おかげさまで天候に恵まれ、参加して下さった皆さんの日頃の行いがよいのでしょうか?気持ちのよい爽やかなダージリンを旅してきました。

第二回 ダージリンセカンド・フラッシュの旅も6月に企画し、只今募集致しております。昨年4月、6月、10月と3回ダージリンを訪ねた私個人の考えでは、6月のダージリンは植物が生き生きしていて自然の植物はもちろんのこと、茶園の茶の芽ものびのびと育っています。気候も太陽が暑く風が冷たく爽やかで、セカンドフラッシュが美味しいお茶になるのが当然!!と言いたいほど人間にも心地よい気候のダージリンです。

ファーストフラッシュの茶園を参加者の皆さんと楽しくテーマの『バトラーにお世話になる旅』のタイトルどうり本当に茶園の方々にお世話になり感動の旅となりました。その一部だけでもごらんいただければと今回の旅をUPさせていただきます。


1877年から続く、カルカッタのお茶のティブローカーの会社『Carritt, Moran&Co』を訪問しました。
この会社は、J-THOMASと共に大変大きな会社です。

東インド会社の時代はきっと栄えていたカルカッタも(今はコルカタと呼ばれていますが私はカルカッタのほうが好きなので)デリーに中心地が移り古い町というイメージですが、紅茶に関しては第一線で紅茶のオークションの中心地でもあるため、有名な大きな紅茶の会社が立ち並んでいます。そのひとつの会社を訪問致しました。



たくさんの紅茶のサンプル
この会社には、たくさんの紅茶のサンプルが毎日インドのアッサムやダージリンから届けられます。ニルギリやドアーズはここでは取引きされません。ダージリン中心で一部アッサムもカルカッタでオークションにかけられます。

以前お茶紀行でご紹介したアッサム州の州都、ゴハティでアッサムはたくさんオークションにかけられます。インド紅茶と一言でいっても色々なところでたくさん作られているのでオークションの場所がいくつもあります。



アッサム
今日は、アッサムがティスティングルームに並べてありました。Assamの試飲は今は閉鎖されたロンドン・オークションでもたくさん取り扱いされていたのが懐かしく思い出されます。

ロンドンではストレートでも試飲しますが、直ぐその後にミルクを入れて水色のチェックとミルクの入った味も重要なので、ティスティングはミルクティにして試飲します。英国帝国紅茶の威厳を感じます。



茶葉の計量
25パイサの硬貨を重しにしてティスティングカップに茶葉を計量します。このコインの重さが2.8gで150ccのお湯で5分間蒸らします。それから茶葉を抜いて、ティスティングカップに移します。この硬貨の重さが基準になりティスティングのお茶の重さが量られます。これはロンドンでも昔のコインが使われていますし、スリランカでも!大変時代を感じます。

みんなで届きたてのダージリンをティスティングしました。その前後にみんないろいろ興味があり質問攻めにされていたモラン社の方々にはお仕事中お騒がせいたしました。



熱心に質問する参加者の方
紅茶に興味があったり仕事にされているか方たちにとって、現場の方に質問できるチャンスですので皆さん本当に熱心で頭が下がる思いです。私はいろいろ行っているうちに他のことが気になり、つい現場でビデオを取ったり外の建物が気になったりと気持ちが散漫で、昔私自身がいろいろ質問していたことを思い出しました。



オークション会場
これは少し離れたところに立つビルの中のオークション会場です。ここにはアッサム用とダージリン用の2会場のオークションルームとバイヤーたちの昼食の部屋があります。このビルは有名な『J-TOMAS&Co.Ltd』という会社も入っています。この会社は一番最初ロンドンオークションでお茶を落としたことでも有名で、そのときのハンマーが今も陳列されています。オークション会場見学の後、インド・ティーボードに入ってお話を聞いたりインド紅茶のビデオを見せていただき、50周年記念の紅茶アッサムとダージリンをいただき皆さん大喜びでした。見学に熱心で昼食が大変遅くなりましたが、茶園ではベジタリアンの食事になるので街のローカルレストランでタンドリー・チキンをいただきました。



カルカッタのガンジス川に沈む夕日
今回のインド旅行はGoomtee茶園の経営する カルカッタのマルコポーロに共催でカルカッタのアレンジを助けていただいたので、たった一日のカルカッタ滞在ですがいい紅茶の勉強会になりました。

福井県の友人のお勧めでマザーテレサの施設にも訪問させていただき、インドで他国生まれであるマザーテレサが女性一人の力で世界中を感動させ動かした偉大さに触れることが出来、いい一日を過ごすことが出来ました。感動の一日の夕暮れです。川に沈んでゆく夕日がより感動を与えてくれました。



ガンジス川沿いのチャイ屋さん
台の上にたくさん並んでいるのが『クリ』で素焼きのティカップです。
紙コップより、割れて又地面に戻りエコロジー的でいいかな?と思いつつ、横に通る列車の線路にいっぱい投げつけてあるこのカップの破片をみると粉々になっています。紙コップが木を切ってパルプを作る問題と、この素焼きのコップの破片が粉になり街中散乱するのと、どちらがいいか?ちょっと考えてしまいました。この人口の多いインドで日常茶飯事にお茶を飲まれていると、半端な量でないカップが毎日割られているわけですから。



超人気店のチャイ屋さん
カルカッタの街の中で真夜中まで開いている超人気店のチャイ屋さんに行きました。夜中カルカッタの友人がチャイを飲みに行きませんか?と誘ってくれ『こんな時間にチャイ屋さんあいているの?』と言うと深夜まであいているだけでなく、大変な人気店で車でドライブスルーじゃないけれど乗り付けてチャイやラッシーを飲みに来るそうです。それでは一度ということで、ツアーの方には悪いのですが数人で出かけて飲みに行きました。本当に美味しく人気があるのが理解できます。



とても美味しいチャイ!
イタリアのバールのエスプレッソを思い出すほどつぎつぎに作って配られていくチャイ。
一回に何杯か作るのですが、いつの間にか運ばれていきテーブルの上から消えてゆきます。アッサムの紅茶のインド国内消費が多く、紅茶をよその国から輸入しているのがわかるほどインドでのチャイの一日の消費量はたくさんです。イタリア人のエスプレッソか?トルコ人のチャイか、インドのチャイか? 現地に行くと半端でない一日の消費に驚かされますが、お茶がそれほど日常茶飯なのでしょう!日本のように日本茶が有りそれで紅茶も嗜好品で飲むという感覚ではありません。質より量といいつつこのように美味しいチャイ屋はやはり人気のようです。

’05 春のダージリンの旅Uグムテリゾート編に続く



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