■ 第三回 冬のパリ、イスタンブル

昨年、2003年1月、仕事で紅茶のティスティングと打ち合わせのためにパリ、ロンドン、そしてトルコへ!

仕事も兼ねて久しぶりにトルコのイスタンブルにお茶の旅をしました。

いつも1月に出かけるのはイギリスやフランス、ドイツにいろいろな国の紅茶が揃い、ブレンドするのに季節の違うのダージリンやアッサム、そしてセイロンのお茶、アフリカのお茶とたくさんの産地の紅茶が揃うからです。たくさんの紅茶を巧みに混ぜ合わせてヨーロッパ独特の伝統的なブレンド技術でおいしいミルクティ用のブレンドなどが出来上がります。

フレバリー ティも単純に単一のベースでなく、香料がそれぞれ生かされるよういろいろな紅茶が違った配合でブレンドされています。2003年の1月は例年になく雪が降りここ15年,毎年1月にパリやロンドンに出かけていますが、めったに見ることがないパリの雪,そこでパリの街の雪景色を見るため寒いのに小高い丘の上に行きました。

最近パリでは中国茶と日本茶が静かなブームで行くたびに少しずつお茶の販売の店や飲むことができるサロンドテができています。ここ数年ヨーロッパは健康ブームと東洋的な思想の禅ブームの影響か緑茶に大変関心が集まっています。

オーナーお茶の旅で数回に渡ってパリのお茶やイスタンブールのお茶、料理、東洋とのつながりの深いトルコの陶器もご紹介して行きたいと思っています。ぜひ楽しみにこのコラムのページにおとずれてくださいね!



■ パリのカフェ

フランス人は冬でも店の外のテーブルでコーヒーや紅茶を飲んでいます。

冬はパラソルの下に電熱のストーブがついているところもあり頭の上が暖かいです!

最近は東京のフレンチ・カフェなどでも時々見かけますがやはり京都では今年のようにこんなに寒いと外では凍ってしまいそうですよね!



■ 2003年1月のパリ

モンマルトルの丘にあるサクレクール寺院から見たパリの雪景色!ちょっと珍しい風景です。

坂の上からのパリはとても美しい街で季節の良いときはこのモンマルトルの丘のサクレクール寺院の前の階段は多くの人がお雛様のように座って並んで町を眺めています。



■ 冬景色のサクレクール寺院とメリーゴーランド

パリの1月はクリスマスの名残がところどころ残っています。

私はメリーゴーランドが好きで最近はさすがに乗らなくなりましたが、パリでは子供だけでなく大人もOKですので、私もよく昔は乗って楽しみました。

夜いろいろな広場でイルミネーションがつき大変楽しくわくわくしますよ!ぜひ機会があれば一度お試しください。

フランスは季節の良いシーズンやヴァカンスのシーズンもいろいろな街角で移動遊園地ができ子供たちが楽しんで遊んでいます。

日本のようにディズニーランドやコンピューターゲームで楽しんでいるのでなく、とってもノスタルジックで、私はパリのこの光景が大変好きで、いつまでも残ってほしいと心から望んでいます。 



■ 寺院の前に飾られているクレーシュ
  (キリスト誕生のシーン)


実物大の大きさのクレーシュ(Creche)が、フランスの地方都市などでもクリスマスから1月6日の公現祭まで飾られています。

南フランスのプロヴァンス地方ではサントン人形という土で作られた独特のクレーシュが飾られています。

今 La melangee の店のティルームではE'piphanie (公現祭)にフランスで食べるガレットデ ロア(La Galette des rois)というパイ菓子を提供していますが、その中に小さなサントン人形風のフェーブが入っています。

(詳しくはメルマのバックナンバーをご覧ください)



■ 夜のマドレーヌ広場

マドレーヌ寺院の前の広場にあるエディアール(高級食材店)はまだクリスマスのデコレーションが残っていて、店を大きな赤いリボンで結んであります。

1月6日がクリスマスの12日目(トゥエルブデイズ)の公現祭にあたりキリスト教国家ではその日まで町のクリスマスの飾りつけもそのままです。

日本の場合は新年を日本文化で飾り祝いますのでクリスマスは25日を過ぎるとあっという間に後かたなくはずしてしまいますが1月のヨーロッパはきれいですよ!



■ パリのウインドウ

モンパルナスの近くにある百貨店、ボン・マルシェのウインドのディスプレイです。

ウインドをみて思わず感動しました!日本では考えないような大胆なウインドです。

中国茶のイベントが最上階で催されていましたが、残念ながら私が行ったときは招待者のみのレセプションの日でした。



■ パリのウインドウU

大きなウインドの中は大きなティー・ポットがひとつ書かれているだけで、その前にTVモニターで作者がこの絵を描いている姿が放映されていました。

このデザインを書かれた方にお目にかかりたくて、日本とも中国とも違う墨の世界がありどんな方がこれを書いていられるのか大変興味がそそられました。



■ Mr. Hippolyte Romain

Mr. Hippolyte Romainはとても素敵なアーティストで絵本を書いたり、映画のパンフレットに挿絵を描いたりと大活躍の方!

パリの地図をみると、セーヌ川の左の方にブローニュの森があります。大きな森でそこの入り口に子供たちが楽しめる遊園地や公園があります。

その中に週末OPENしている中国茶の茶館があります。マドモアゼル・リーと言う名前の素敵なそのサロンドテも彼の運営しているお茶の店です。

2003年6月にお目にかかりとっても、素敵な中国、日本、フランスのイラストを描いて多くの本を出版されている方だと知りました。

彼のイラストが木屋町 団栗橋上ルにある中国料理の店、「菫 /sumire」の2Fの個室に飾られています。機会があればおいしい中華料理をいただきながらパリのエスプリに浸ってみませんか?

ここのお茶は メランジェの中国茶を使ってくださっています。いろいろな種類の中国茶を食事中にワインのように合わせてご注文していただけます。



■ パリの日本茶の店

「茶人」は、マドレーヌの近くにある日本茶の店。

茶室があり抹茶のお手前を見せていただいて一服いただくことができ、遠くパリ以外の町からもお茶好きの方がやってきます。

店内では煎茶や玉露そして日本の甘党のデザートもいただけます。

もちろん茶葉も器具も買って帰ることができます。

アメリカ人の女性がオーナーで裏千家のお茶をされているようです。

残念ながらこの写真を取った日は臨時休業のために中のシャッターがおりていて店内が見えません!素敵な店ですよ!



今回はパリだけになりましたが、次回から数回に分けて トルコを紹介していきたいと思います。

 なかなか時間が取れなかったり、興味はあるけれど海外は苦手!と言う方はぜひこのお茶の旅で旅をしたような気持ちに浸っていただけたらと思っています。

では次回はイスタンブールの旅の話をしたいと思います。



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